建設連合・滋賀県建設組合
建設業で働く人が加入すべき保険について、一人親方向けに解説しているページです。ケガのリスクが高い建設業の一人親方は、自己防衛のために万が一に備える保険加入が欠かせません。そこで今回は、一人親方が加入すべき保険の種類や手続き、確定申告時の節税方法まで網羅的に解説します。また、保険選びや手続きに迷ったときに頼りになる一般社団法人 滋賀建設組合(JCCA滋賀)のサポート内容もご紹介。この記事を最後まで読み、安心して仕事に取り組める準備を整えましょう。
まずは、建設業における一人親方について整理していきましょう。
一人親方とは、労働者を雇わず、特定の事業を行う人のことです。一人親方は、個人事業主と働き方が似ていますが、実は違いがあります。一人親方と個人事業主の違いは、以下の表の通りです。
| 一人親方 | 個人事業主 | |
|---|---|---|
| 労災保険への加入 | 基本的に自分で加入する | 特定の職種などの条件を満たしていれば特別加入できるケースもあるが、原則として加入できない |
| 法律的観点 | 特定業種を対象とする法律に従う | 一般的な事業活動を対象とする法律に従う |
| 労働者の使用 | 原則として労働者を使用しない | 可能 |
| 事業内容 | 建設業や土木、林業などの特定の分野に限る | 幅広い分野で活動可能 |
クライアントと契約を結び、自ら現場で作業を行うのが一人親方の働き方です。個人事業主と違い、基本的に労働者を使用することはありません。
建設業の一人親方は、自身が現場に出て仕事を行うため、常に危険と隣合わせです。しかし、事業主でもあるため、一般的な労災保険には原則として加入できません。万が一、労災保険未加入の状態で事故に遭ってしまうと、多額の治療費や休業、さらには賠償請求といった大きなリスクを一人で負うことになります。
建設業の一人親方特有のリスクを防ぐために必要な保険をまとめました。
一人親方は、「特別加入制度」を利用することで、労災保険への加入が可能です。労災保険に加入すると、業務中や通勤中のケガや病気で医療機関を受診した際に、以下のような給付を受けられます。
| 補償内容 | |
|---|---|
| 治療費・薬剤支給など | 治癒するまで窓口負担なし |
| 休業した場合 | 1日あたり給付基礎日額の8割(休業補償給付6割 + 休業特別支給金2割) |
| 後遺症が残った場合 | 障害等級に応じた障害(補償)給付・障害特別支給金を受けられる |
| 死亡した場合 | 死亡した方の収入によって生計を維持していた遺族へ人数に応じた遺族(補償)給付が受けられる |
一人親方の労災保険への加入は強制ではありません。しかし、万が一のときに、一人親方本人はもちろん、家族を守ることにもつながります。また、請け負う仕事によっては、労災保険加入が条件になっているケースも少なくありません。万が一に備えて、一人親方労災保険へ加入しておくのがおすすめです。
健康保険は、国民全員が加入義務のある保険です。一人親方が加入できる健康保険には、国民健康保険(国保)・国民健康保険組合の2種類があります。国民健康保険は前年の所得によって保険料が決まりますが、国民健康保険組合の場合、組合ごとに算出方法が異なります。例えば、加入者の年齢や勤務形態、家族構成などを基準にしている組合も。ご自身の状況に合わせて、最適な健康保険を選択しましょう。
会社員などが入る厚生年金や共済組合に加入していない方は、国民年金の手続きを行わなければなりません。国民年金は、老後の生活を支える基盤となるため、忘れずに納付しましょう。さらに、付加年金や国民年金基金を活用することで、将来年金の受給額を増やすことも可能です。一人親方の場合、全国国民年金基金を利用できるので、ぜひチェックしてみてください。
これまで紹介をした公的な保険に加えて、民間会社が提供する保険に加入するのも一つの手です。一人親方を含む個人事業主向けの民間保険には、労災上乗せ保険とも呼ばれる労災保険ではカバーしきれない部分を補うための「業務災害補償保険」や「使用者賠償責任保険」などがあります。また、ケガに対する補償が受けられる「傷害保険」への加入も検討する価値があるでしょう。
民間保険の補償内容は、労災保険でもカバーできる範囲もあります。しかし、業務や通勤時のみに対応している労災保険と違い、日常生活でのケガも補償されるのが民間保険に加入するメリットです。ご自身の働き方やリスク許容度に合わせて、民間保険の活用も視野に入れましょう。
一人親方が労災保険に加入する場合、「特別加入団体」を通じて所轄の都道府県労働局長へ申請する必要があります。特別加入団体とは、都道府県の労働局長より承認を受けた団体です。どの団体に相談すべきかわからない方は、都道府県労働局や労働基準監督署で確認できます。なお、粉じん作業や振動工具使用など、特定の業務に一定期間従事していた経験がある場合、特別加入の申請時に健康診断の受診が義務付けられていますのでご注意ください。
建設業の一人親方は、実際のところどの程度の保険料を支払っているのでしょうか?一人親方労災保険料の計算方法や各保険料の目安を紹介します。また、経費処理についてもまとめました。
労災保険の保険料は、ご自身で選択する「給付基礎日額」と、事業の種類によって国が定める「保険料率」を適用して算出されます。給付基礎日額は3,500から25,000円まで16段階で選択できますが、低く設定すると保険料は安くなるものの、受け取れる補償額も比例して少なくなるため注意が必要です。万が一、ご自身が働けなくなった際にどの程度の補償が必要かを十分に考慮して、給付基礎日額を決定しましょう。なお、一人親方が労災保険に加入する際は、保険料の他に、特別加入団体への入会金や組合費などの諸費用が必要となります。
国民健康保険の場合、年間保険料の目安は40から70万円程度です。ただし、前年の所得や世帯構成、お住まいの市区町村によって大きく変動します。
労災保険と国民健康保険の保険料は経費として処理できません。経費として認められるのは、事業の売上を得るために直接発生した費用のみです。例えば、事業に関係する自動車保険料や火災保険料などは、経費計上できます。ただし、労災保険に加入する際にかかる特別加入団体への入会金や組合費、事務手数料は経費として処理が可能です。
経費処理できない労災保険料や国民健康保険料は、社会保険料の控除対象となります。確定申告時に控除申請を行うことで、税負担を軽減できます。支払った保険料の領収書や証明書をしっかりと保管し、正確な金額を申告しましょう。
「建設業は保険加入の手続きが難しい」「どの保険に入ったら良いかわからない」という悩みを抱える一人親方は少なくありません。そんなときに頼りになるのが一般社団法人滋賀建設組合(JCCA滋賀)です。滋賀県内および近隣府県にお住まいの方のために、サポート内容や申請方法を紹介します。
一般社団法人滋賀建設組合(JCCA滋賀)は、社会保障制度の充実や組合員の立場確立を目指して活動している団体です。一人親方をはじめとする加入者の保険に関する相談や、複雑な申請手続きのサポートを承っています。労災保険や国民健康保険組合への加入手続きをワンストップで代行してくれるため、保険関連の事務作業の負担を大幅に軽減できるのが大きなメリットです。
お問い合わせやご相談は、ホームページのお問い合わせフォームにて受け付けています。お急ぎの方は、お電話にてご連絡ください。お電話でのご連絡は、土日祝日を除く9:00~17:00にお願いいたします。
建設業は、ケガのリスクが高い職業です。自身が事業主にも労働者にもなる一人親方はとくに、特別加入制度を利用した労災保険への加入によって万が一に備える必要があります。労災保険のほかにも、国民健康保険や国民年金なども、納付しなければなりません。保険に関する複雑な手続きや必要性などを正しく理解するのは困難という方は、一般社団法人滋賀建設組合(JCCA滋賀)にぜひご相談ください。安心して仕事に取り組めるよう、サポートさせていただきます。