建設連合・滋賀県建設組合ロゴ建設連合・滋賀県建設組合

建設業の雇用保険とは?加入義務から保険料の計算・手続きまで徹底解説

2025年11月10日 カテゴリー:お知らせ


建設業の雇用保険は、働く人々を支援する重要な役割を担います。基礎知識はもちろん、建設業特有の特徴を把握しておくことは欠かせません。今回は、雇用保険の基本情報や、雇用保険料の計算方法、手続きの流れなどを解説します。加入対象外となる場合の対処法もまとめたので、建設業の雇用保険について理解を深めたい方は、ぜひ最後までお読みください。

建設業の雇用保険とは


まずは、建設業の雇用保険について、特徴や加入対象など基礎知識を見ていきましょう。

雇用保険の役割


雇用保険とは、労働者の失業時などに必要な給付を行い、生活や再就職を援助する保険です。雇用保険で支給される給付にはさまざまな種類があります。例えば、失業等給付には、教育訓練給付や雇用継続のための高年齢雇用継続給付、介護休業給付などが挙げられます。また、育児休業給付も雇用保険の役割の一つです。

建設業における雇用保険の加入対象


雇用保険は、政府管轄の強制保険制度です。元請・下請に関わらず、原則として労働者を雇用する事業主に加入義務があります。
ただし、雇用される立場にある正社員やパートといった社員を対象にした制度のため、一人親方などの個人事業主には適用されません。雇用保険の未加入者がいると、行政などの加入指導を受ける可能性があります。

建設業のアルバイトにおける雇用保険の適用条件


建設業でアルバイトする場合、雇用保険に加入できるとは限りません。アルバイトの方が雇用保険に入れるかどうかは、週あたりの労働時間や契約内容などによって異なります。学生でない方や、長期間にわたりその事業で働く見込みがある場合など、アルバイトであっても雇用保険の加入対象となるケースがあるでしょう。詳しい条件については次項で説明します。

雇用保険適用除外とは|建設業の場合


次に、建設業において雇用保険が適用されないケースや注意点について確認しましょう。

建設業の雇用保険で適用除外になるケース


雇用保険は、労働者であっても適用除外とされ、加入対象にならないケースがあります。

  • ・1週間での所定労働時間が20時間に満たない
  • ・31日以上にわたり継続して雇用される見込みがない
  • ・大学や専修学校の昼間学生である など


反対に、上記の条件に当てはまらない場合、アルバイトでも雇用保険の加入対象となるのです。
なお、平成29年1月1日以降は、65歳以上の方も雇用保険の対象となりました。

適用除外者の管理と注意点


労働者に適用除外者がいる場合は、雇用契約時に雇用保険の加入対象とならない旨を説明し、理解を得ることが重要です。また、労働時間や雇用期間が変われば適用要件を満たす可能性があるため、定期的に就業状況を確認しましょう。学生アルバイトが卒業後、継続して雇用される場合も、雇用保険の加入対象になります。

建設業における雇用保険料率の仕組み


続いて、建設業における雇用保険料率の仕組みを解説します。

建設業特有の雇用保険料率とは?


建設業の雇用保険料率は、他の業種に比べて高いことが特徴です。そもそも雇用保険料は、対象となる賃金に雇用保険料率を掛けて算出されます。
建設業は、現場ごとに短期間での雇用契約を結ぶことが多く、契約終了後に失業手当を受ける可能性が高い傾向があります。そのため、他の業種よりも保険料率が高く設定されているのです。
また、助成金の支給が多い点も建設業の特徴の一つ。若年者や女性労働者の確保など、雇用の改善・安定を目的とした支援を、事業主に対して行っています。雇用安定事業における事業主への助成金の財源は、事業主の保険料です。支援が手厚い分、保険料が高い傾向があります。

雇用保険料率の推移|建設業の場合


雇用保険料率は、一定ではなく、見直しにより変動します。ここで、建設業の雇用保険料率について、令和7年度までの5年間における推移を見てみましょう。

年度 労働者負担の雇用保険料率 事業主負担の雇用保険料率
令和7年度 6.5/1,000 11/1,000
令和6年度 7/1,000 11.5/1,000
令和5年度 7/1,000 11.5/1,000
令和4年度 6/1,000 10.5/1,000
令和3年度 4/1,000 8/1,000


雇用保険料率の大きな変動があったのは令和4年度。4月1日時点で事業主負担が8.5/1000に変更され、さらに10月1日には表内の数字まで、雇用保険料率が大幅に引き上げられたのです。一方、令和6年度の雇用保険料率は、令和5年度の値と変わりませんでした。
失業者が多くなると保険の給付が増えるため、安定した財源確保のために雇用保険料の引き上げが検討されます。反対に失業者が減ると、引き下げられることもあるでしょう。

建設業における雇用保険料の計算方法


雇用保険料がいくらになるか気になる方に向けて、ここでは雇用保険料の計算方法と管理のコツを紹介します。

雇用保険料を計算する方法


雇用保険料は「対象となる賃金の総額」に「雇用保険料率」を掛けることにより計算できます。雇用保険の計算方法は、正社員やパートといったいずれの事業形態でも変わりません。雇用保険料を計算できるウェブサイトでのシミュレーションも可能です。
対象には基本賃金や賞与、通勤手当などが該当します。ただし、傷病手当金や結婚祝い金など、対象外の賃金もあるため注意しましょう。
また、雇用保険料を計算する際に生じる、1円に満たない端数は、50銭以下なら切り捨て、そうでなければ切り上げとなります。

年間の雇用保険料を管理するコツ


月々の雇用保険料は少額に見えても、年間では大きな金額になるため、適切な管理が重要です。まずは、雇用保険料を徴収するタイミングに注意しましょう。加入要件に該当する月の給与から徴収することが一般的です。
また、雇用保険料が年度の途中で引き上げられたケースもあるため、いつから変更されるか把握しておきましょう。加えて、賃金の対象となるかどうかの正しい判断も求められます。そのため、管理システムの導入も一つの手段です。
なお、一般社団法人滋賀建設組合(JCCA滋賀)では、さまざまな保険料関連の手続きをサポートしています。

雇用保険と労災保険はセット?建設業の特例


雇用保険と並んで重要な労災保険。ここでは、建設業における各保険加入の特徴を見ていきましょう。

建設業での「雇用保険+労災保険」加入義務


一般的な事業では、一元適用事業として雇用保険と労災保険が1つのセットになった「労働保険」に加入します。
一方、建設業は二元適用事業に該当し、雇用保険と労災保険、それぞれへの加入が必要です。

建設業において雇用保険と労災保険が別である必要性と注意点


建設業において、雇用保険は通年での加入が求められます。一方、工事現場の労災保険は元請けの事業主による現場ごとの加入が必要です。支払う保険料の申告・納付などが別々になるため、建設業は二元適用事業に該当します。
なお、工事に関わらない事務職や営業職の場合、現場の労災の対象外となるため、事務所労災に加入する必要があります。

建設業における雇用保険加入の流れと必要書類


ここからは、雇用保険加入の手続き方法について解説します。

新規加入手続きのステップ


建設業における雇用保険への新規加入手続きは、ハローワークで行います。届出および添付書類などを用意し、管轄のハローワークで手続きしましょう。
また、初めて被保険者となる労働者を雇い入れる場合には、雇用保険適用事業所設置届の手続きも求められます。

必要な届出・添付書類リスト


雇用保険に関する手続きに必要な届出と添付書類は、以下の通りです。

【届出】

  • ・労働保険関係成立届
  • ・雇用保険適用事業所設置届
  • ・雇用保険被保険者資格取得届

【添付書類など】

  • ・事業所の名称・所在地確認書類
  • ・雇った日から届出日までの出勤簿と賃金台帳
  • ・労働者名簿
  • ・雇用契約書
  • ・労働者の雇用保険被保険者番号
  • ・労働者のマイナンバー


上記に加えて、労働保険概算保険料申告書の提出も求められますが、手続きはハローワークではなく、日本銀行または所轄の都道府県労働局で行います。
なお、一般社団法人滋賀建設組合(JCCA滋賀)では、雇用保険関連の手続きの委託を承っております。

建設業の雇用保険|一人親方の場合


一人親方の場合、雇用保険に加入できるか気になる方もいるでしょう。ここで、一人親方の対応方法について解説します。

一人親方に関する雇用保険の注意点


雇用保険の対象は労働者であることから、一人親方は加入できないことが一般的です。通常一人親方が加入するのは、国民健康保険および国民年金となります。

一人親方向けに必要な労災特別加入とは?


労災保険は、本来労働者の業務中や通勤時の災害に対する保険給付制度です。しかし、労働者以外であっても、業務内容や災害発生状況などをふまえ、保護されることが適当と認められる場合、労災保険への特別加入制度を利用できます。
一般社団法人滋賀建設組合(JCCA滋賀)では、一人親方向けの労災保険も取り扱っています。

建設業の労務管理や雇用保険の手続きを円滑にする方法


最後に、建設業の労務管理および雇用保険について、業務の円滑化を図るポイントを紹介します。

労務管理体制の整備ポイント


建設業の中でも、特に現場作業は長時間労働が常態化しやすいことへの対策や、安全管理が欠かせません。整備すべきポイントは以下の通りです。

  • ・労働時間の管理を強化する
  • ・労務管理システムを導入する
  • ・安全教育の充実を図る


労務管理体制の整備は、法令遵守だけでなく、労働環境の改善につながります。従業員の定着率および生産性の向上を図れるでしょう。

JCCA滋賀のトータルサポート


一般社団法人滋賀建設組合(JCCA滋賀)では、ハローワークや労働基準監督署での事務手続きや、保険に関する複雑な事務処理を、事業主に代わって行っています。
雇用保険関連の手続きの他、労災保険や事業所設置などに関わる事務作業の代行が可能です。保険料の申告や納付に関する処理など、幅広く対応しています。

建設業の雇用保険は管理が重要|手続きで迷ったらJCCA滋賀に相談


建設業の雇用保険に加入する際は、適用要件への正しい理解が不可欠です。また、保険料の計算には、対象賃金や雇用保険料率の把握も欠かせません。適用除外者の就業状況に関する定期的な確認も求められるでしょう。雇用保険の管理や手続きへの負担を軽減したいとお考えの方は、ぜひ一般社団法人滋賀建設組合(JCCA滋賀)にご相談ください。