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労働保険について


建設業の労災保険

1.建設業の労災保険


建設業は、同じ現場に下請・孫請が混在して労使関係を把握することが困難な状況があるため、施主から直接受注した元請負人を事業主とみなして、その工事に係わるすべての労働者の労災補償責任を負わせることとしています。ただし、下請の事業主(個人事業主・取締役)や一人親方は補償対象外です。


2.元請会社の労災保険手続


それぞれの事業には工事期間があるので、元請会社の事業主は工事ごとに労災保険に加入します。工事開始前に労基署で 労災保険の加入申請をして概算保険料を納め、工事終了後に保険料を精算することになりますが、通常は2つ以上の 元請工事をまとめて保険料納付・精算を行う「有期事業の一括」という取扱をしています。有期事業の一括ができる工事は、労災保険料額160万円未満、請負金額が税抜き1億8千万円未満のものに限ります。それ以外は、請負契約工事ごとに労災保険に加入することになります。


3.建設業の労災保険料の計算


元請会社がすべての下請会社の賃金まで把握して賃金総額を算定するのは不可能なので、請負金額に事業の種類ごとに定められている「労務費率」を乗じて得た額を賃金総額とみなします。この額に業種ごとの労災保険料率を乗じることで労災保険料が決まります。

建設業の労災保険料率・労務費率  
事業の分類 事業の種類 労務費率 労災保険料率



建設の事業
水力発電施設、ずい道等新設事業 19% 1000分の62
道路新設事業 19% 1000分の11
舗装工事業 17% 1000分の9
建築事業 (既設建築物設備工事業を除く) 23% 1000分の9.5
既設建築物設備工事業 23% 1000分の12

機械装置の組立て
又はすえ付けの事業
組立て又は取付けに
関するもの

38%

1000分の6.5
その他のもの 21%
その他の建設事業 24% 1000分の15
例)建築事業の会社が元請工事1件を請負金額500万円で受注した場合(労務費率:23%、労災保険料率:1000分の9.5)
  5,000,000円×23%×9.5/1000=10,925円 よって、この元請工事分の保険料は10,925円となります。